不動産賃貸や講演料やデザイン料など、売上の相手先から支払調書を貰うことがあります。
確定申告を作成する時の資料として利用します。また、確定申告を書面で提出する場合は、支払調書を添付することもあります。
支払調書を貰った時に確認すること
売上の相手先から支払調書を貰ったら、まずは「支払金額」を確認します。
デザイン料として、129,600円(税込み)の請求書を出した場合の仕訳。借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
売掛金 | 129,600円 | 売上 | 129,600円 | ***会社 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
売掛金 | 129,600円 | ***会社 | ||
仮払源泉所得税 | 12,252円 | ***会社 | ||
預金 | 117,348円 | ***会社 |
作成した仕訳の「売上」と貰った支払調書の「支払金額」が同じかどうかを確認します。
支払調書の「源泉徴収税額」と仕訳の「仮払源泉所得税」と同じかどうかを確認します。
確定申告書の書き方
第1表の「収入金額欄」には、売上金額を記入。
第2表の所得の内訳に記載。
第1表の44番源泉所得税額欄の記載を忘れずに。
この記載を忘れると、納税額の計算が間違ってきます。
支払調書と売上金額が異なる場合
金額が違ってくることは、実は珍しいことではないです。まれに税務署から「支払調書と売上が異なるのですが」と連絡が来ることもあります。
異なる理由
支払調書は支払いベースで作成されることが多いです。売上を計上する場合は、発生ベースで計上していると思います。
個人の決算は、1月から12月で計算を行います。12月の売上は、「売掛金」で計上を行い、入金は翌年の1月だったりします。
この「売掛金」分違うことがあります。
また、交通費を別途貰うこともあります。事業者はこの交通費も売上で計上を行いますが、支払調書には記載されてこないこともあります。
12月の売掛金が108,000円ある場合。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
売掛金 | 108,000円 | 売上 | 108,000円 | ***会社 |
収入金額欄は、129,600円+108,000円=237,600円で行います。
貰った支払調書と金額が違っていても構いません。支払調書の発行先に作り直しを依頼する必要もありません。
支払先は、支払調書を発行する義務はないので、支払調書が無くても正しい売上で申告を行います。
確定申告後の仮払源泉所得税の処理について
翌年の仮払源泉所得税の期首残高は、12,252円で始まります。
所得税が全額還付された場合の仕訳借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
預金 | 12,252円 | 仮払源泉所得税 | 12,252円 |
所得税が還付される通帳が事業用ではない場合は、「預金」を「事業主貸」で処理をします。
一部が還付になる場合。借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
仮払源泉所得税 | 12,252円 | |||
預金 | 2,252円 | 還付される分 | ||
事業主貸 | 10,000円 | 納税額 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
仮払源泉所得税 | 12,252円 | |||
預金 | 10,000円 | 納税額 | ||
事業主貸 | 22,252円 |
まとめ
ポイント
- 支払調書は、相手に発行する義務はないので、必ず貰えるとは限らない。
- 支払調書の金額と売上の金額は一致するとは限らない。
- 発行されない場合も、一定額以上の場合は税務署には提出していることはある。
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