取引先の倒産で売掛金の回収が難しくなった場合、倒産防止共済に加入していると無担保、無保証人で掛け金の10倍(最高8千万)まで借入ができます。
毎月の掛金は5千円から20万円まで5千円単位で自由に選べて、途中での増減も可能です。
掛け金は、経費として処理ができます。
個人事業主の場合の倒産防止共済の掛金の経理処理のしかた
掛金は、保険料等で仕訳をしていきます。
仕訳
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 適用 |
保険料 | ***円 | 預貯金 | ***円 | 倒産防止掛金 |
消費税は非課税取引です。
解約した時は、解約手当金は事業所得の収入となります。
確定申告時の添付書類について
「中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書」を確定申告時に添付します。下記のような内容の記載があれば、どのような様式でも良いようです。
個人事業の場合、不動産所得の経費で処理ができません。
小売業と不動産業を行っているような場合、小売業の経費にはできますが、小売業を廃業または法人成りした場合、個人の不動産所得の経費として処理することはできません。
法人の場合の倒産防止共済の掛金の経理処理のしかた
個人事業者と同じように、保険料等で仕訳を行います。
消費税は非課税取引です。
解約手当金は雑収入で処理します。
決算時の処理について
別表10(6)を添付します。
解約手当金を受け取ったときの経理処理について
個人の場合は事業の収入になります。法人の場合は雑収入で処理をします。
仕訳
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 適用 |
預貯金 | ***円 | 雑収入 | ***円 | 解約手当金 |
消費税は不課税取引です。
繰越欠損金があれば、解約手当金を受け取っても納税は発生しない場合があります。
法人の場合、役員等の退職金として解約手当金相当額を支払うことも多いです。収入(解約手当金)と支出(退職金)を同じにして損益がなくなります。
掛金の前納について
掛金は毎月支払う方法と、1年分を支払う前納の方法があります。1年分を一括で支払う場合は、掛金の最高額20万×12ヶ月分の240万円までが経費として処理ができます。
1年分を超える前納の場合は、1年分を経費に算入し、残りの部分は翌期(翌年)の経費で処理を行います。
毎月支払う場合、最終月に翌年分を前納する方法をとると、最高で460万円経費に算入することもできます。
毎月20万円×11ヵ月=220万円。最終月に翌年1年分20万×12ヶ月分=240万。
220万+240万=460万。
まとめ
ポイント
- 消費税は、支払い時は非課税で、解約した時は不課税。
- 個人の場合は確定申告で添付書類が必要。
- 法人の場合は、別表10(6)を忘れずに。
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